はじまりは「アルミ」
最近では、「ケーキをのせる物」といえば「樹脂性のケーキトレー」が一般的になっていますが、一昔前までは「アルミケース」というアルミを薄く伸ばしたものが主流でした。
当時ケーキといえば「高価なデザート」から「庶民的なデザート」へと変わりつつあり、作る側であるケーキ屋さんは、「できるだけ見栄えも良く、美味しく見せたい」し、「なるべく価格を抑えて皆に食べてもらいたい」と考えていました。そのため、「高価に見える銀色を使い」つつも、「低価格で入手できる」「アルミケース」(※写真)という商品を使い始めるようになりました。
「アルミケース(アルミ箔)」は加工がしやすい為、一般的な丸型を作って様々な形のケーキを乗せるだけでなく、当時から人気があった「三角ショートケーキ」を乗せやすいような三角型(トルテ型)(※写真)も作られる様になってきました。
店の個性を出すための「名入れ紙ケース」
ケーキが「庶民的なデザート」として広く消費者の人気を得ると、それに応えるようにケーキ屋さんやパティシエが増え、「他店と差別化するためにも、店や自らの名前をアピールしたい」との要望が高まってきました。そのような要望に応え、ケーキの敷き紙として使われはじめていた「紙ケース(パーチメントケース)」に、店舗のデザインやパティシエの名前を印刷するようになってきました。それは「名入れ紙ケース」(※写真)と言い、徐々にアルミケースに変わって普及し始めました。
この「名入れ紙ケース」の普及に伴い、使用するケーキの材質などに応じて、多様なものが開発されてきました。現在でも使用されている「紙ケース」には、以下のようなものがあります。
●パーチメント紙
缶詰、油脂製品の内装、蓋材等の食品包装に使用されています。
同等品に「ドリープ紙」が有ります。
●耐油(耐水)紙
食品包装に使用されています。
高い耐油(耐水)性があり、パーチメント紙の代わりとしても使用されています。
●シリコン加工紙
電子レンジでも使用できるので、クッキングシートに使用される事が多いです。
上記、パーチメント紙や耐油(耐水)紙にシリコン加工をした紙です。
●グラシン紙
蒸しパン、中華まんの敷き紙等の食品包装に使用されています。
透明性が高い為、医療用品の包装、窓付き封筒等にも使用されています。
●シリコングラシン紙
チョコレート用のカップに使用される事が多いです。
上記、グラシン紙にシリコン加工をした紙です。
多様なケーキの種類や形に対応するための「紙製のケーキ用トレー」
「紙ケース」は用途に応じて使い分けがしやすく、低価格で入手できるために使用してくれるケーキ屋さんも多いのですが、ケーキの種類や形もさらなる変化をし続けていて、「紙ケース」や「アルミケース」では対応できないケーキやお菓子もでてきました。
そのため、ケーキの型崩れを防いだり、よりケーキのコーティングを美しく見せるために「紙製のケーキ用トレー」(※写真)が開発されました。
この「紙製ケーキ用トレー」の普及に伴い、ケーキの種類も開発され、多様な素材と形、良い見映えのケーキも普及するようになりました。
このように私達は、ケーキの進化や多様化に応じて製品を開発しています。
これから先も、まだ見ぬ個性的なケーキ用トレーを開発していきます。